この記事は、こんな方におすすめ

✅アメリカのレストランでチップを渡す理由が知りたい人
✅チップが嫌いな人
先日、英会話の生徒さんからこんな質問をいただきました。
アメリカでのチップのマナーについて知りたいです。何%のチップを渡すのが適切ですか?また、レストラン以外でチップを渡すべきサービスがあればおしえてください
今回の記事では、①チップ文化が存在する理由と②アメリカでチップを払うべきサービスと、パーセンテージの2点についてお話しますね。
①チップ文化が存在する理由

そもそも、どうしてチップの文化が存在するかを疑問に思ったことはありませんか?
理由は、レストラン側がコストを抑えて、できるだけ安価にお客さんに食べ物やサービスを提供するためです。
アメリカの法律では州によって最低賃金が決まっているのですが、チップのシステムを導入することにより、合法的に最低賃金を下げることができるのです。例えば、マサチューセッツ州の2021年の最低賃金は、時給$13.50です。しかし、”tipped employees minimum wage”、つまりチップをもらうことのできる仕事をしている人の最低賃金は
なんと時給$5.55です
雇用主は、この$5.55という時給にチップを足して、平均して時給$13.50以上にすることを求められます。
でも、どうしてわざわざメニューを安くして、チップを別で払わせるの?もともとメニューの料金を高くして、従業員には$13.50以上の賃金を払って、チップをなしにした方が効率的では?と思った方もいるのではないでしょうか。
しかしこれをしない理由には、消費者心理がからんでいるようです。コーネル大学で研究をするMichael Lynn教授によると、メニューを安価にして別途チップを払う場合の方がメニューを高価にしてチップを払わない時よりも顧客満足度が高いとのことです。
こう言った理由も、チップの文化が消えない背景にあるのですね。
②アメリカでチップを払うべきサービスと、パーセンテージ

アメリカで生活していると、「このサービスにもチップが発生するんだ!」とビックリすることがあります。チップの支払いが一般的になっているサービスとしては、
①外食
- レストラン…基本的に合計金額の20%で、高級レストランの場合は25%になることもあります。また、サービスがとってもよかった場合も、チップを多めに支払うことがあります。大人数で食事をする際は、お会計の際にすでにチップが足されている場合があります。この場合は、追加でチップを支払う必要はありません。
- ビュッフェ…ビュッフェの場合はフルサービスではないので、レストランよりもチップが少なくなります。5−10%が一般的です。
- バー…お酒の場合は、1ドリンクにつき1ドルが相場です。メニューに無いようなカスタマイズされたドリンクを頼む場合は、多めにチップを支払う場合もあるようです。
②UberやLyftなどの配車サービス
- 短めの距離であれば、乗客一人につき$1-$2、長めの距離であれば、$3-5ドルが一般的なようです。タクシーの場合は合計金額の15%-20%を上乗せして支払う場合が多いです。
③美容室
髪を切ってもらう時にも、チップが発生します。15% – 20%が相場と言われていて、チップを支払わないお客さんは、お店のブラックリストに載ってしまうこともあるようです。
④カフェ
コロナの影響もあってか、最近はカフェでコーヒーを注文する際もチップを上乗せするか聞かれることが増えました。カフェで席に座り、サービスを受ける場合はレストランと同じく20%のチップを支払うのがマナーとされています。しかし、単なるテイクアウトの際はチップを払わない人も多いようです。また、メニューに載っていない特別な飲み物を頼む時や定員さんのサービスが良かった時はチップを払うなど、人によってルールが違うようです。
まとめ
今日は、アメリカのチップ文化の背景にある事情や、サービスごとの相場をご紹介しました。チップのルールは絶対的なものではなく、地域や時代によっても変わってきます。特に最近は、デジタル化により新しいサービスが増えたりしていますよね。チップのマナーを知り、みんなが気持ちよく過ごせるといいですよね。